行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論
著者:舞田 竜宣
販売元:日本経済新聞出版社
発売日:2008-12-17
おすすめ度:4.0
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架空の会社の架空の物語のもと、よくありがちな問題それぞれの章に対応させて、解決してくプロセスと行動分析学の視点での解説を加える構成となっている。ここで登場する数々の物語(数々の問題点)は、架空の話とはいえコンサルタントであった著者の経験に基づく実際の話を基に構成されているらしい。

そのため、かなり具体的な問題ばかり取り上げられており、実際に自分の会社での問題によく似た章もあって、読んでいるだけで辛くなる程だった。

基本的な考え方は、人が何かの行動を起こしたときにその動機や原因ではなく、行動の結果に着目する。行動の結果、良いできごとが起きれば行動は強化される(回数や強度が増える)。この行動を強化させたできごとが「好子」で、反対に「弱化」させるできごとが「嫌子」だ。好子や嫌子は行動の直後のものでなければならない。これはそのまま脳内におけるドーパミン放出の教科学習の仕組みに一致する。行動の直後にドーパミンが放出されれば、その行動は強化されるという、脳科学での事実だ。この仕組みを使えば、任意の行動を強化したり弱化したり、コントロールすることが可能となる。

様々な問題を如何にしてコントロール可能な行動まで因数分解し、それを好子と嫌子を巧みに出現させることでコントロールし、問題を解決するか。行動分析学はそういった学問であると理解した。

人の人格や性格を変えることはできなくても、人の行動は変えることができる。あらゆる問題において、人の行動が関わる問題であれば必ず解決することができる。そんな気にさせてくれる一冊だった。