不完全性定理―数学的体系のあゆみ (ちくま学芸文庫)不完全性定理―数学的体系のあゆみ (ちくま学芸文庫)
著者:野崎 昭弘
販売元:筑摩書房
発売日:2006-05
おすすめ度:4.0
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当たり前の様に考えている数学の世界も、その論理体系の理解を問われるとなんだか有耶無耶になりがちだ。数学という論理そのものを論理で整理する、メタ数学の基本的な考え方から導入し、ゲーテルの不完全性定理をわかりやすく解説する。

正直言って、この不完全性定理をよく理解していなかった。この本のおかげでようやく大枠が理解できたんじゃないかと思う。

論理体系に限らず、メタな認識には独特の視点で物事を眺める能力が必要だ。大所高所からの鳥瞰というやつだ。自明であろう事柄をいかに疑うこと。そこから新しい筋道を見出すこと。ゲーテルは、閃きとパワーの人だ。

当たり前に見える物事に疑いの目を向けることの必要性は、それこそ当たり前のことのように言われている。物事をメタな視点で見る能力も必要だ。大局観を養うことでもあるし、分析能力やモデリング能力にも直結するだろうと思う。

ゲーテルになることは無理でも、彼のような人間がいたという事実を受け止め、志向する事はできる。違った視点で眺めて、徹底的に考え抜くこと。まずはこの辺から真似していきたいものだ。