闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達
著者:G・パスカル・ザカリー
販売元:日経BP社
発売日:2009-07-15
おすすめ度:4.5
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昔、下北沢でバイトしていた頃に確か当時の職場で見かけた本。おそらくWindows7発売に併せて再版されたんだと思う。

当時MS-DOSやOS/2を開発していたMicrosoftの次世代OSである、NT(Windows NT)の開発ドキュメント。デビット・カトラーを中心とした開発チームのドラマだ。

カトラーは今でも現役プログラマらしい。NT5.1ことWindows xpやNT6.0ことWindows Vistaのx64版には多大な貢献をしたというし、Windows Azureのスタッフ一覧にも名前があるという。本当に頭の下がる思いだ。また、目ざすべき人物なのは間違いない。

登場人物である開発者たちは狂信的に仕事をする。私生活を擲ってまでNTの開発に没頭する様子は、現代風の表現にすれば間違いなく「ブラック」だ(無論、後の大成功はあるわけだが)。そんなブラックな内容から、我々現代のエンジニアが学び取るべきことは何だろうか。劣悪な就労環境や、家庭を省みない態度への正当化ではない。一つは非凡への志向だろう。

第一章の最後にこんな言葉がある。「平凡は弱者のためにある」。これこそ本書全体に漂う狂気の原動力だ。そう信じなければいられないという、NT開発者のなんとも切ない想いだ。平凡である事を否定し、強者であり続けようとすること。もはや本能の領域の話である。誰もが持つ闘争本能を呼び起こすからこそ、邦題は「闘うプログラマー」なのだ。

思考が守りに入りそうな時に改めて読みたい一冊。