「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)
著者:酒井穣
販売元:光文社
発売日:2010-01-16
おすすめ度:4.5
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フリービットには11月末までお世話になっていました。

当然のことながら、社外の立場に立って初めて気付くということは沢山ある。良いとか悪いではなく、引っくるめて社風というやつなんだろう。

あくまで個人的な見解になってしまうが、実際のところ酒井さんが入社され、数々の施策のお陰で現場の空気は確かに変わったと思う。特に実感出来たのは、第7章で紹介されている「道真公の愛」だ。同僚の書評を読むのはそれだけでも楽しい。感じ方は人それぞれなどと言うけれども、それを手っ取り早く実感できる手法でもある。そして、この道真公の愛のもう一つ凄いところは、購入補助金というインセンティブと、情報をアウトプットするスキルを身につけることのバランスが絶妙な事だ。

書く習慣を身につけることは難しい。自分も偉そうなことを言える立場ではないが、実際のところドキュメンテーション能力というのは訓練しないと身につかない。例えば理系の学生で論文の書き方をみっちり教わっているような環境で「第一歩」を踏み出せている人間も、思ったより少ない。「本を読むことが好きにさえなってしまえば、それだけで人材育成の半分までもが完成」とあるが、まずは書く習慣を身につけられることにも計り知れない効果がある。書く習慣は、書く能力を鍛える上での大前提だからだ。自分自身、実はこの制度を利用し始めたのが遅かったのだが、もっと早くから参加していれば良かったと今でも思う。

さらに極めて個人的な話ではあるが、酒井さんと直接お話させて頂いた機会も本当に貴重な体験だった。退職の日、酒井さんと社内ミニブログ上でよくお話しさせていただいたことを振り返ったのだが、実は直接お話した内容にも大きな影響を受けている。

何より、本を読むことに関して数多くのアドバイスを頂いた。読んでいる量が絶対的に少ないこと、今は精読よりも読む量を重視すべきこと、速読を身につけるためのヒントなど。平均的なサラリーマン像ではなく、書評ブログで有名な方々のそれと比べて「読書量が足りない」と言ってくれたことが嬉しかった。まるで自分が当時感じていた閉塞感を見透かされた様な気すらしたものだ。

新しい職場で2ヶ月が過ぎ、組織の抱える問題点も見え始めてきた。やはり根っこには人材育成に関わる問題が横たわっているようにも思う。そして今改めて思うことは、自分自身もまた人材育成の対象であるという事実だ。人材育成のプロである酒井さんがこうして手の内の一部を明かしてくれたことは、今の自分にとっては大きなチャンスだと感じる。たとえ少しでも時間を共有出来たことは最大限活かさなければならない。

さいごに、今の会社でも業務改善のアイデアを提案できる仕組みがあって、この道真公の愛と同様の内容を提案させて頂いた(社内twitterなどは欲しがっている社員は沢山いた)。まずは単純に自分が同僚や先輩社員の書評を読んでみたいことと、より業務に即した内容の書評をチャレンジしてみたいことが理由だ。採用されるよう働きかけていきたい。