クラウド時代と<クール革命> (角川oneテーマ21)クラウド時代と<クール革命> (角川oneテーマ21)
著者:角川 歴彦
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-03-10
おすすめ度:3.0
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読むべき一冊。期間限定ながら、全内容を無料ダウンロードできることで話題になったが、結局自分は紙の本を買ってしまった。

角川グループのCEOとしての達観した視点で、ITの世界を鳥瞰する。角川グループと言えば当然メディア産業の巨人。ここまで成長させた実績は計り知れないが、IT分野においても彼は卓越したビジョナリーであることを、恥ずかしながらこれを読むまで知らなかった。

前半は言ってみれば現代の統括だ。まるで2010年版の「ウェブ進化論」のように感じる。後半は今後のメディアの在り方や21世紀の産業革命と日本の関わりについて。角川グループという視点でYouTubeを始めとするITの驚異にどう向き合ってきたのか、我々が読み取らなければならない見解に溢れている。見事に構造化された内容で、簡潔に言語化されている。

中でも、21世紀のアメリカを「果ての国」と定義付けたのは、なるほどと唸ってしまった。今後インターネットの力は、経済格差や地域格差を是正する方向に働き、グローバル化は急速に進んでいく。「果ての国」「月並みの国」といったメタファーは、グローバル化の中で迷走しないためにも重要な概念だ。月並みの国日本が抱えるリスクは何か。そして今後何をすべきか。国家としての危機管理の話題にも及ぶ壮大な提言で本書は締められるが、極めて納得感のある、現実的な提言のように感じた。

情報・コンテンツを扱う人々はもちろん、ITに関わるすべての人に勧めたい内容だ。