脳からストレスを消す技術脳からストレスを消す技術
著者:有田 秀穂
サンマーク出版(2008-12-16)
おすすめ度:4.0
販売元:Amazon.co.jp
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主に脳の働きから、人間がストレスを感じるメカニズムを解説し、そこから導き出されるストレス対策法を紹介する。

脳の働きと言っても小難しい表現ではなく、わかりやすく平易な文章でとても読みやすく構成されているため取っつきやすいだろう。

古くは仏陀の時代から人類が感じ、克服しようとしていたというストレス。まずは脳機能の観点からストレスを大別し、ストレスのメカニズムを脳内物質であるセロトニンとの関係性を論じる。セロトニンの減少はストレスやうつ状態に深く関わるため、この生成量を増やすことが重要であると説く。SSRIといった抗うつ剤も脳内のセロトニン濃度を保つための薬であるが、生産量を増加しなければ根本解決にはならないという。至極まっとうな話だ。

セロトニンの生成量を増やす上で重要なことは二つ、太陽の光を浴びることと、リズム運動をすることだ。歩くことや呼吸でさえも、意識することでリズム運動になり得るのだそうだ。

なるほど、それと直接関係するかどうかはわからないが、思い当たることが一つあった。かつて仕事が比較的大変だった時期に、帰宅がどんなに遅くなっても1時間程度歩くようにしていたことがあった(自宅最寄り駅までの終電が無くなっていたことが一番の理由ではあるが)。歩き始めは疲れ切って陰鬱な気分であっても、家に着く頃には不思議と明るい気分になっていたものだ。ひょっとしたら一日の終わりにリズム運動をすることでセロトニンが生成され、その日のストレスを解消することができていたのかもしれない。

セロトニンの生成に加え、もう一点大事なことは「泣く」ことだ。ただ泣くのではなく、泣くことを意識的に止められない状態にすること、つまり号泣することが効果があると言う。泣くことそれ自体は自分がストレス状態にあることを他者に伝えるための手段であるし、確かに号泣したあとのあのスッキリした感じはストレスが消えている状態と言っても辻褄が合う気がする。逆に言えば、「泣いたらスッキリする理由」を本書は説明してくれているのだ。

泣ける映や泣ける音楽などを活用し、意識的にスッキリすることができれば、ストレスを制することに大きな一歩になるのではないか。そんな気付きを与えてくれる一冊だった。詳細は是非、内容を確認してほしいと思う。iOSデバイス用の電子書籍版も発売しているので手軽に読めるだろう。